「きれいな資料」を作れるだけでは二流コンサル? 本当に顧客から信頼される「プロの仕事」とは
資料作成を続けていくうちにスライド作成や資料作りのスキルが少しずつ身についてきます。 「見やすい資料だね」と褒められると嬉しいものですが、そこで満足してしまってはいけません。
ビジネスの世界には、残念ながら「資料作りはプロ級だが、仕事の成果が出せない」コンサルタントが存在します。いわゆる「パワポ職人」止まりにならないために、そして将来クライアントから本当に信頼されるプロフェッショナルコンサルになるために、今から意識すべき「仕事の本質」についてお話しします。
1. 「作業」ではなく「価値」に目を向ける
どれだけ美しい資料を作っても、また組織内でどれだけ評価が高くても、最終的にクライアント(顧客)が価値を感じなければ、それはプロの仕事とは言えません。 本当の優秀さとは、スライドの美しさではなく、以下の4つのステップで顧客を動かせるかどうかにあります。
【優秀なコンサルに共通する4つの力】
- 発見力: 顧客自身も気づいていない「本当の課題」を見つけ出す。
- 論理力: なぜその課題が重要なのか、筋道立てて説明する。
- 証拠力: データや事例(定量・定性)を用いて、説得力を持たせる。
- 結果力: 最終的に、顧客のビジネスを前進させる(成果を出す)。
特に重要なのは「1. 発見力」です。言われた課題をただ解決するだけでは、相手の想像を超える感動は生まれません。「ここが本当の問題だったのか!」と相手がハッとするような発見を提示できてこそ、信頼は生まれます。
最近は生成AIを上手に使うことによって、相手に刺さる効果的な説明が作れるようになってきました。
2. 資料はあくまで「手段」である
きれいなスライドを作るスキルは、上記の「3. 証拠力」の一部に過ぎません。 中身のない議論を、見た目の良いスライドでごまかそうとしても、顧客にはすぐに見抜かれます。「なんとなく分かった気にさせる」だけの資料は、結果につながりません。最近は生成AIを使った資料が増えています。それは決して悪いことではありませんが、生成AIが作成した資料をうのみにするのではなく、その背景に自分の考えや主張を合わせて準備しておくことを忘れないようにしましょう。
極端な話、本当に優秀な人はスライド作りが苦手でも、圧倒的な「発見力」と「解決策」で顧客を動かします。「資料作成」を目的にせず、「顧客の成果」を目的にしてください。
3. 「持ち帰って検討します」からの脱却
会議で想定外の質問が来たとき、すぐに「持ち帰って確認します」と逃げていませんか? もちろん確認が必要な場合もありますが、優秀な人はその場で仮説を立てて回答します。
- NG:「A案とB案どちらがいいか……持ち帰ってデータを探します」
- OK:「過去の類似ケースや御社の状況を鑑みると、B案を検討すべきです。なぜなら~」
その場で相手を納得させられるだけの「準備」と「自分の意見」を持つ癖をつけましょう。相手に一定の理解を与えられれば良いので、最終的な結論はそこで無理に出す必要はありません。
4. 机上の空論にならないために「インプット」を続ける
目の前のタスク(プロジェクト)をこなすだけで精一杯になってしまうと、知識が枯渇し、提案が「机上の空論」になりがちです。 相手の業界や業種の情報を仕入れることは当然ですが、そのほかに本を読む、ニュースを見る、あるいは数字(売上や利益)に対する感覚を磨くこと。こうした地道なインプットが、説得力の源泉になります。自分の強みを伸ばすことが大切です。
「ビジネスの本質は、顧客に価値を提供して対価を得ること」です。 買ってくださいというお願いする立場ではなく、先生として教えてくださいと言われる立場になれるように考え、努力することです。
スライド作成という「作業」に埋没せず、「この仕事は誰のどんな課題を解決し、どうビジネスを前進させるのか?」を常に問いかけながらコンサルタントとして成長していきましょう。
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